[2022年3月最新]円安1ドル120円になる理由を解説

アベノミクスで始まった日本銀行の異次元金融緩和政策ですが、今年に入って予期せぬ方向に動いています。

今年の3月に入ってから、Covid-19(コロナウイルス)問題とウクライナ問題と2つの問題に対処せざるおえなくなりインフレが加速することとなりました。

アベノミクスってなんだっけ?

これを理解するためには、2012年より前の世界経済を考える必要があります。2010年1月から始まったギリシャのデフォルト危機、さらに2011年3月の東日本大震災と大きな出来事が2つありました。「有事の円買い」とはよく言った物で、世界的な影響を及ぼす影響がある事案が発生したときに円が買われやすいということです。 これによって、「円が買われる→円の価値が上がる(円高になる)→輸出品が売れなくなる(このときは車でした)→輸出国の日本の経済が回らなくなる→デフレになる」という負のスパイラルが発生しました。

2012年の安倍内閣で始まったアベノミクスはこの上記デフレ脱却を目指す、インフレ誘導政策でした。具体的には、①大胆な金融政策(デフレ脱却を目指し、2%のインフレ目標が達成できるまで無期限の量的緩和を行うこと)、②機動的な財政出動(東日本大震災からの復興、安全性向上や地域活性化、再生医療の実用化支援などに充てるため、大規模な予算編成を行うこと)、③民間投資を喚起する成長戦略という「3本の矢」を掲げた政策でしたね。

この時に始まったのが、「ゼロ金利政策」です。

ウクライナ問題でなにが起こるの?

ウクライナにロシアが侵攻していることで、NATO加盟国をはじめした世界各国がロシアからの輸入を行わないこととなりました。(ロシア経済に打撃をあたえるためです)

しかし、この制裁のせいでロシアが輸出していたエネルギー(原油等)が世界に行き渡らないことになります。原油の価値があがることで飛行機や船の燃料代があがり直接的に物の価値が上がり、さらにはプラスチックの値段もあがる(原料が石油です)ので2重でものの価値が上がってしまうのです。

金利政策がインフレにどう関係あるの?

金利政策とは

そもそも「金利政策」とは、中央銀行が行うものです。日本であれば、日本銀行。アメリカであれば、FRB(The Federal Reserve Boardの略)です。

ここで画面の前のあなたに想像してほしいことがあります。

具体例

あなたは100万円を借りようとしています。銀行Aは1年間で金利5%です。銀行Bは金利1%です。つまり、銀行Aは5万円を銀行Bは1万円を返すということです。この時どちらからお金を借りたいでしょうか?

銀行Bですよね。この金利が0%だとどうでしょうか。いくらお金を借りても返す額は変わらない天国のような状態になるのが想像できるのではないでしょうか。

日本銀行は「銀行の銀行」とも呼ばれている機関です。三井住友銀行や三菱UFJ銀行にお金を貸しているので、先ほどの具体例をここにいれるといろんな銀行がお金を借りまくるのが想像できるでしょう。

その分、日本銀行はお金を大量に印刷して供給しています。

インフレになる理由

お金を大量に印刷して供給することで、世間にはお金が溢れます。そうすると、一枚一枚のお金の価値が下がっていきます。 大量にあるものよりも限定品の方が価値が高くなりますよね。

お金を大量に印刷→お金の価値が下がる→商品の値段が上がる(みんなお金もってるんだからあげよう!ということ)→お金を大量に印刷→…… これが続いていくことで物価が上がることをインフレーションと言います。

簡単に理解できる方法

難しい言葉で言うと、「金利を下げること」を金融緩和、「金利を上げること」を金融引き締めと言います。

ですが、金利を下げると言われればお金をいっぱい供給したいんだな。お金の流れをよくしたいんだな!(インフレにしたい)

金利を上げるといえば、お金の供給を少なくしたいんだな。お金の流れを緩やかにしたいんだな。(デフレにしたい)と単純に考えればそう難しい話でもないですよ!

利上げ利下げが為替になぜ影響する?

利上げを実施するということは景気が力強い回復を見せている証拠といえます。米経済の成長力が日本経済に比べて相対的に強いとなれば、ドル建て資産に対する需要が拡大し、ドルの価値が上がります。みんなが買うものの価値が上がるのはなんでも一緒ですね。その結果、ドル円相場は円安・ドル高(円売り・ドル買い)に振れやすくなるという流れです。

次に金利です。米国が利上げを実施すれば、一般的な感覚でも、例えば金利が1%の金融商品と3%の金融商品がある場合、誰もが3%の金利が付く金融商品の方を購入したい気持ちになるでしょう。それと同じく、資金は金利の低いところから高いところへ流れるのが基本です。米金利が上昇すればドル資産への人気が高まり、為替市場では円安・ドル高の圧力が強まることになります。

[2022年3月更新]各国の金利政策

本題に入りますが、では現在の各国の政策金利はどのようになっているのでしょうか。

2022年3月の発表でアメリカは、政策金利を0.25%に利上げすることを決定しました。ほぼ0金利にでやってきたアメリカが利上げを決定したのでビックニュースとなりました。

一方で、日本はゼロ金利を継続することを発表しました。

この発表によって1ドル119円と、2016年以来の円安に振れています。

マネタリーベース(貨幣総量)から円の価値を考える

政策金利や消費者物価指数(どのくらいインフレかわかる)など為替を変動する理由は多岐にわたり、FX等の差益で儲けようとしている方は、正直なところ頭がぐちゃぐちゃになると思います。

そこで、このような要因ではなくすでに供給されているお金の量だけを考えることで日本円の価値を測ろうと思います。

どうやるかというと、日本円の総量を分子にし、アメリカドルの総量を分母にすれば1ドルあたりの価値が大体わかります。

日本のマネタリーベースは約500兆円でアメリカは約4兆ドルです。500÷4=125なので、マネタリーベースで考えれば大体いまの為替があたっているのがわかると思います。

このマネタリーベースを中央銀行が管理し、調整しているわけですから中央銀行の発表は注目されているんですね。

まとめ

完璧に未来を予測するのは不可能なので、こういった理由があっても予測でしかありません。

しかし、自分の予測をもとにヘッジをかけながら投資していくのが最適だと思います。

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